大腸内視鏡検査について
大腸内視鏡検査は大腸の腫瘍や炎症など大腸内病変が疑われる時に行われます。
大腸の腫瘍や炎症から出血するため便に血液が混じったり、付着する時や便潜血検査が陽性の時、大腸の炎症では下痢を起こしやすく、大腸の腫瘍が大きくなると便が通りにくくなるためです。
そのため
- 原因不明の下痢がある時
- 原因不明の便秘・腹痛がある時
にも大腸内視鏡検査が検討されます。
大腸内視鏡以外にも大腸の画像検査には、①バリウムを用いる注腸造影検査、②CTを用いた大腸CT検査、③カプセルを飲むことで検査が行われる大腸カプセル内視鏡があります。
当院では富士フィルムによる大腸内視鏡検査を行っています。
(2)大腸内視鏡の長所と短所
- 長所:病変を直接観察でき、病変の細胞を採取して診断を確定できることが挙げられます。
- 短所:個人の腸の形によって難しさが異なり、検査をする側、される側の状態によって影響されます。大腸CT検査や大腸カプセル内視鏡に比して身体的負担が大きいことなどがあります。
大腸内視鏡検査を受けられる方へ
大腸内視鏡検査は大腸に便が数残っていると観察が難しくなるため、大腸の中を綺麗にしてから検査を開始します。下剤をのみ、大腸を綺麗にする特殊な水(ムーベンなど)を飲んで便を綺麗にします。
検査の前日
*サンケンクリン食という消化の良い食事を朝、昼、夕で食べていただけますが、特殊な事情でサンケンクリン食が食べられない場合は「お粥」や「うどん」など なるべく消化の良いものを取ってください。
注意:海草・きのこ・野菜・こんにゃく・種のある果物は食べないで下さい。
*午後9時に液体の下剤1本(ラキソベロン)をコップ一杯の水(約200cc)に入れ錠剤の下剤(センノシド)と一緒にお飲みいただきます。 (深夜に下痢をする可能性があります。 )
夜の9時以降は何も食べないでください。ただし、水、お茶、ジュースなどの水分は飲んでいただいても結構です。
検査当日
*朝食は食べないでください。水分(水やお茶)は飲んでも大丈夫です。
*高血圧の薬、心臓の薬、喘息の薬、精神科の薬など大切な薬を朝に服用されている方は朝7時までにをコップ1~2杯の水で服用してください。
*朝7~8時頃から下剤(2Lの水薬)を2時間かけて飲んでいただきます。10分おきにコップ1杯(約200ml)のペースです。服用後1-2時間で数回排便があるのが普通です。服用後1時間しても排便がない場合、服用後気分が悪くなってきた場合、お腹が痛くなってきた場合は電話にて連絡を下さい。
当日持参いただくもの
*同意書、バスタオル、下着の替え
検査後のご注意
*検査終了後は、刺激の少ない消化の良いものを少しずつおとりください。
翌日からはいつもどおりの食事にしていただいて結構です。
*何か気にかかることや、異常がある場合は遠慮なくおたずねください。
ポリープの摘除について大腸内視鏡検査でポリープが見つかることが考えられます。
大きさが小さなポリープであれば同日に摘除を行います。摘除には痛みは伴いません。
術後まれに(1000人に3人程度)出血や穿孔(腸に穴があくこと)で入院治療が必要になることがあります。腹痛などが見られた際は当院を速やかに受診してください。
*術後1週間は運動・腹圧をかける行為(自転車や過度の階段昇降、重たい荷物を持つなど)は避けてください。
注意事項
1.血液をサラサラにする薬(バファリン、バイアスピリン、パナルジン、プレタール、プラビックス、エパデール、ペルサンチン、アンプラーグ、プロサイリン、ドルナー、オパルモン、ロコルナール)などを服用している方はポリープが見つかっても当院では切除ができません。検査をした後にポリープを見つかった場合は適切な医療機関を紹介いたします。
2.摘除した病変により一部負担金が異なる場合があります。
3.悪性腫瘍やその他より精密検査が必要な場合は適切な医療機関へ紹介いたします。